どちらかというと財産をたくさん保有している方向けになるのかもしれません。でなければ、少額でも心配性で家族思い、大切な人たちのために、あるいは自分の後始末を整然としておきたいという願望をお持ちの方もあるいは該当するかもしれません。この拙文が一ミリでも一助になれば嬉しいです。
終活にあたってのIDとPASSWORDの管理と引継ぎについて整理してみました。
インターネット社会での様々なIDとPassword
インターネットが生まれて随分経ったような雰囲気、相当昔から存在していたような勘違いをするほど浸透した情報ネットワークサービスですが、実際にはまだ半世紀ほどしか経っていません。しかし、私達の日常への食い込みぶりは眼を見張るほどのものです。一部の人にとっては食事するより、そして呼吸するよりも重きを置き、いや極端にいえば取り憑かれているほどにどっぷりと身に染みてしまっている要素となっているものかもしれません。
それらの流れを受けて、さまざまにネット活用をする上で必須の要件として「ID(アイディ)」や「Password(パスワード)」が重要な位置を占めるプライバシー情報となりました。使えば使うほどに増殖していくIDとPW。腰ベルトにぶら下げた鍵ジャラジャラのように、どれがどのキーなのか自身での判別もままならない状態・・・。
そんなIDとパスワードをどう安全に管理していくのか、そしてイザという時に大切な人へと引き継いでいけばいいのか。そんなことについて思うままに少しだけ整理してみた次第です。
IDとPassword管理方法について
一つのIDとパスワードの使い回しの危険性は徐々に周知される共通認識となりました。そこを回避すればするほど、サービスを増やせば増やすほどに管理が大変になっていくのが、IDとパスワード。
適切な管理と方法について自分なりに整理してみました。
記憶(脳内管理)
最強の漏洩防止可能な管理手段と言えるかもしれません。脳内保存なら口を滑らさない限り、あるいは強制的にIDやパスワードを引き出せれない限り、今の科学では脳波から読み取る技術のないでしょうから。
しかし、特殊能力でも持っていない限り記憶力には限界があります。まして年齢を重ねるにつれ衰えていく記憶力。例えギリギリまで保持できたとしても確実に伝えられるという保証はありません。仮に自信があるなら絶対に確実な管理方法だとは思います。もし特殊能力や特別なコツをお持ちで、円周率を何千桁、何万桁まで暗唱できるようならオススメかもしれませんが。
最低限、すべてのIDやパスワードをしまっておく保管場所もしくは保管庫を開けるたった一つ、唯一のマスター・キーとなるIDとパスワードだけは覚えておきたい。それが最良かとも考えています。
アナログ記録(紙ベース管理)
アナログ記録、最も記録のベーシックな方法、それが紙片に記録して保管して置く方法。手帳やノートに何のIDとパスワードかを記録して、金庫なり銀行などの貸し金庫に保管しておく方法です。ただ、これも最後のマスターキーとなる唯一のIDやパスワードが必要になるでしょう。
ただ、この記録方法には面倒な側面があります。書き間違いや更新した際の修正漏れなど、都度に記載の書き換えが必要であるということ。これも年齢とともに衰えからくるちょっとしたミスも考えられますから、余程几帳面な性格でないとなかなか難しいかもしれません。
デジタル記録(エクセル等ソフト管理)
デジタル記録、EXCELなどのソフトなどを使って管理する方法。
これも先程のアナログと然程違いはありません。ペーパーレスになっただけで、手段としては大差ないと考えます。データの入力ミスは紙ベースの記入ミスと同じですし、IDやパスワードの変更等に伴う更新漏れは多分にあり得ることを予め考慮していなくてはなりません。最終的にやるのは自分なのですから。アナログでもデジタルでも結果は同じということです。
クラウド記録(オンライストレージ管理)
安心で安全なクラウドサービスに大切な情報を預け保存する方法。
これは先のデジタル記録をネット上の雲の中に金庫を持ち保管しておくという方法です。いわば、アナログ記録のケースの金庫や銀行の貸し金庫のインターネット版といったところでしょうか。デジタル保存で大切なIDやパスワード記録を預けておくなら、この方法が現状では究極かも知れません。ただ、そのクラウドサービスの信頼性や安全性などとともに、唯一無二のクラウドのIDとパスワードを失念してしまっては全て無に帰する事を覚悟して管理しておかなくてはなりません。
安全なID・Passwordの引き継ぎ
大切な人へ安全にIDとパスワードを引き渡す。
どんな手段であれ、より安全でより安心に渡すことができれば申し分ありません。
ネット上の資産の数が増えれば増えるほど管理には相応のリスクが伴ってくるでしょう。理想的には何かしらのデータ台帳を一つにまとめ、唯一の鍵で安全な場所に保管しておくのが最良でしょう。そして、その唯一のマスターキーをどう引き渡すか、それが問題です。
マスターキーも最後の最後まで一定の期間をもって変更し、悪意あるものから守らなくてはなりません。それからここという場面できっちりと全IDパスワードのマスターキーを手渡す。そうできたら最高に最上のデジタル終活と言えるでしょう。
最後に
結局、どんな方法が自分にとって最高に良い方法なのか? 正直なところ今もまだなやましくいところです。
重要なファイルやデータなどを大切な誰かに、より安全により安心して渡せる手段が見つかったら、それはこの先、とてもゆとりの持てる時間を送れることになるに違いないでしょう。
どんな手段が最適か、それは自分にとっても、受け取る人にとっても、それぞれの立場や情況によって様子は変遷してくるのだろうと推察します。ただ、これだけは今ハッキリと言えます。
命あるうち、自分がボケていないうちに、渡せるものは渡しておきたい、と
コメント